一行クソブログ

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コンビニ人間 村田沙耶香

こんにちは。

少し日が空きましたが、今日も読んだ本を紹介していきます。

今日紹介する本は

 

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

 です。

言わずと知れた芥川賞受賞作品です。

ふと目に留まり何となく買って読んでみました。

めちゃくちゃ衝撃でした。

イメージと全然違いました。

なので、その衝撃について書いていきたいと思います。

今回この本を読んで感じたことは、作中の主人公、恵子はある意味で自分の理想を体現している人だと思いました。

決して恵子はコンビニアルバイトという職業を幸せいっぱいにやっているわけではありません。

しかし、彼女は決して悲哀に満ちて働いていません。

むしろ、コンビニに感謝を抱きながら働いているのです。

コンビニアルバイトをすることで、周りの人たちと明らかに感性が違う自分が好奇の目にさらされることなく平穏に過ごせているからです。

つまり、彼女は幸せに満ち溢れているわけではないが、今の状況を望んでいるのです。

繰り返しますが彼女は幸せいっぱいでいるわけではありません。

ですが、彼女はコンビニで働くことを望んでいるのです。

その望みには余計な感情が飾り付けられていない彼女の願望という感情しかありません。

だから、彼女は作中で一度やめたコンビニバイトに再び戻るのです。

これは自分の望む生き方に近いところがあります。

大成功をおさめ大金もちになりたいわけじゃない。

多くの人から注目され、称賛されたいわけじゃない。

ただ、自分の思うように、望むように生きていきたい。

そう思っているので、恵子のことをうらやましいなぁと思いながら読んでいました。

なら、彼女のようになりたいのかといわれるとそういうわけではありません。

やはり、彼女の生き方を彼女の内面を知らない状態で見てみると、色々思うところがあります。

社会的立場として弱い。

お金も生きていくのにギリギリ中のギリギリ。

将来が全く見えてこない。

等々色々挙げることができ、実際彼女のようになりたいとは到底思えません。

ゆえに、私は彼女のことをうらやましいとは思いつつも彼女のようになろうとはしないのです。

彼女をうらやましい、自分の理想だと語っても、社会的ステータスを捨てきれずにいます。

作中に出てくる白羽さんと本質的には変わらないのです。

彼女のことをほめながらも、今私が生きている社会という枠組み、つまり他人の目を逃れたいと思わず、社会の一員として過ごしたいと思っているのです。

あくまで彼女と自分は違う、彼女のようにはならないと思っているのです。

私はどういった人間なのかが分からせてくれた作品でした。

最後にもう一つ思ったことを書き、終わりにしたいと思います。

彼女は素晴らしい。しかし、私が思う社会の中ではあくまで異端者であり、彼女を心の底から肯定することはできないです。

一方で彼女を心の底から肯定する人、彼女をただただ軽蔑する人もいるだろうと思います。

その人たちそれぞれに自分の思う社会があるはずです。

そういう意味で、この小説は読者の社会がどういったものなのかを示すことができる指標にもなるのではないかと思いました。

 

稚拙な文章ででしたが、この作品から受けた衝撃を少しでも理解していただけたら幸いです。

それでは