一行クソブログ

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ああ、無情

こんばんは

久しぶりの更新です。

今日は本の紹介をしていきます。

今日紹介する本は

 

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

 

 です。

この本をまとめるとしたら"無情"という言葉がすべてだと思います。

主人公ムルソーの心情描写が多いのに、全体的にどこか心ここにあらずといったふわふわした感じがします。

しかし、この「無情」という言葉に悲観的な意味を見出してはいけないと思います。

「無情」には負の側面は無いのです。

ただ、無情なだけにすぎません。それ以上もそれ以下もないのです。

故に、無情に良し悪しを付けることがそもそもおかしいのです。

なぜなら、すべての人もまた無情であるからです。

豊かな感情を持っているように見えても、実際は自己の表面を撫でているだけです。

事自己について問い詰めていくと、みな等しく無情にたどり着くのです。

以上より、皆が等しく持っているものに、良い悪いの判断をすることはできません。

では、皆が無情であったとして、この先どう生きていけばよいのかという質問が出ると思います。

その答えは「生きなさい」だと思います。

生きることに彩を付けることはできません。

おいしいものを食べるといったことや、お金持ちになって高級品を買いあさる、友達と仲良く遊ぶ等々それらしいことは挙げられます。

しかし、それらは決して生きることの価値を上げるものではありません。

生きることの目的も分かっていないのに、今行っていることが人生にどれほど影響を与えるかわからないからです。

何をすれば生きることの価値が上がるのかはわかりません。

そもそも、生きることに価値があるとは思えませんが・・・。

人は生きて死ぬ、それ以上は何もないと思います。

そこに価値がどうとか、如何に生きるべきかなど考えても自分を慰めるだけです。

その慰めによって生きることがより豊かというと、違うような気がします。

以上のことがこの本を読んで思ったことです。

 

カミュの本を初めて読みましたが、主人公は確かに存在しているのにまるで自分のことを他人事のように思っている描写は読んでて楽しかったです。

また、銃で人を殺すときの描き方はすごかったです。

そのシーンがスローモーションで再生しました。

銃の引き金を引いてから相手が死ぬまでがゆっくりと流れているように感じた書き方は圧巻でした。

そこだけでも読んでほしいと思いました。

気になる人はぜひ読んでほしいです。

それでは